Adobe Photoshop2024はFirefly(アドビの画像生成AI)が搭載され、できることの幅が今までよりも圧倒的に広がりました。
レタッチアプリの域を完全に逸脱した感じです。
今回は範囲を選択して、その中に画像を生成する方法をご紹介します。
Photoshopでいらないものを消す
観光地で撮影すると、「人が移りこんでしまった」、「この写真、これがなければなぁ・・・」
なんてことよくありますよね。
下の画像では、白いコーンが気になります。
安全のために置いてあるので、撮影時に勝手に動かしてはダメですよ。Photoshopで除去しましょう。
まずは左のツールバーから投げ輪ツールを選択します。
次に消したい物体や人物等をドラッグして囲んでください。1周すると白黒の線で囲まれます。
囲んだら『Delete』キーを押してください。下のようなダイアログが出るので、『コンテンツに応じる』を選択して『OK』。
いい感じでコーンが消えましたね。
Fireflyが周囲の画像を解析してコンテンツに応じた塗りつぶしを行ってくれるので、近くの背景をコピーして貼り付けるよりも自然に仕上がります。
この機能は以前のバージョンからありましたが、次に紹介する機能の前段階として紹介しました。
Photoshopでシーンを変更する
「景色はいいんだけど、晴れてくれたらもっときれいなんだろうなぁ・・・」
これもよくあるケースだと思います。
アングルや画角、露出などは調整できても、天候だけは科学の力も及びません(今のところ)。
しかし撮った後の画像であれば、Photoshopの力で変更できます。
直接生成する
先ほどの神社の画像でコーンを消しましたが、天気が曇りなのが少し気になります。
こういう選択の対象が複雑な場合は『オブジェクト選択ツール』の出番です。
『オブジェクト選択ツール』を選んで雲に覆われた白い部分をクリックすると、自動で判別して点線で囲まれます。
選択ツールが別のメニューになっている場合は、長押しして変更できますよ。
選択範囲は『Delete』キーで消しておきます。
下のようなダイアログが表示される場合があります。
この場合は消しゴムツールを長押しして『背景消しゴムツール』を選び、画像の選択個所をクリックします。
その後に『Delete』を押すと、選択個所が全て消去されますよ。
消した場所を『オブジェクト選択ツール』でクリックし、もう一度選択します。
プロンプトを「青い空」と入力してみると、下のような画像になりました。
パッと見はいいんですが、社殿の屋根が増えています。
生成の際は別のレイヤーが追加されるので、青空のレイヤーをドラッグして元の画像の下に移動させます。
『Ctrl』+『T』で拡大し、いらない部分を上のレイヤーで隠すと、下のような画像になります。
晴れの日に撮影したようになりましたね。
別のレイヤーに生成する
雲の部分を選択して消去するまでは同じです。
消去したらメニューから『レイヤー』→『新規(N)』→『レイヤー(L)』を選択します。
透明なレイヤーが作成されます。ドラッグで元の画像の下に配置しましょう。
『Ctrl』+『A』で全選択し、プロンプトを入力します。
今回は「晴れ渡る青空」にしました。
下の画像では元のレイヤーを非表示にしていますが、しなくても構いません。
バランスを見ながら青空のレイヤーを移動させると下のようになりました。
このように、違う手順で同じような結果を出すこともできます。
以前は別の晴れた空の画像を持ってきていたのですが、今回からは生成で作れるようになりました。
また、画像は別のレイヤーとして生成されるので、色調や明暗など個別にレタッチもできます。Photoshopはアイデア次第でいろいろなことができるのが楽しいです。
今回は曇り空を青空に変えましたが、逆に雨にしてみたり、逆光にしてみたり、夕日や星空もいいですね。
Photoshopで好きな場所に好きなものを
下の画像はAdobe Expressで生成した工場地帯の萌え画像です。
なお、この画像が『萌える』かどうかは個人的見解です。
任意の場所をドラッグして選択します。
今回は『長方形ツール』を使いましたが、『楕円ツール』でも『投げ輪ツール』でもOKです。
切り抜く場合の精度を上げるために、なるべく色がごちゃごちゃしていない部分を選択しましょう。
選択したらプロンプトを入力し、生成します。
今回は「銀色で円盤型のUFO」にしてみます。
下のような円盤が現れました。
これだけでも面白いのですが、もう少し手を加えてみます。
右側にあるレイヤーのリストからUFOが生成されたレイヤーを右クリック。
『スマートオブジェクトに変換』します。
次に『レイヤーをラスタライズ』します。
これをせずに加工しようとすると、下のようなメッセージが出て怒られます。
自動選択ツールで背景を選択し、『Delete』します。
できない場合は先で説明した『背景消しゴム』を使ってください。
背景が切り抜かれました。
大きさや角度を変えることもできますよ。
同じ手順で牛を生成し、シェイプツールの『三角形ツール』で黄色い半透明の三角形を作成しました。
これらを組み合わせると・・・
ちょっと楽しい画像ができあがりましたね。
この画像が何の役に立つかはわかりませんが・・・
ま、まぁ、組み合わせでいろいろとできますよ。
最後に
今回紹介した機能はほんの一部です。
また、記事中でも書きましたが、同じ結果を出すために別の方法もあります。
それだけできることの幅が広いPhotoshopですが、使いこなすには少し練習が必要です。そこが敬遠される理由でもあるのですが、レタッチソフトは何かの動作ごとに視覚的な変化があって楽しいです。楽しみながら覚えることができます。
特に今回のアップデートではAIの搭載により目まぐるしい進化を遂げました。レタッチだけでなく画像生成機能も加わっているので、すごいことが簡単にできちゃいます。
「まだPhotoshopを触ったことがない」、「前は使ってたんだけど今は・・・」という方はこの機会に試してみてはいかがでしょうか?
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