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LoRAとは、特定の画像データを学習させることで、統一されたイラストを生成することができる機能です。
この機能を使えるようにするには色々な方法がありますが、『kohya-ss scripts』というプログラム(以下スクリプト)をPCに組み込む方法が一般的です。
このスクリプトは日本の方が開発され、導入手順もわかりやすいので、AIcoでもこの方法で導入しました。
導入は難しいと言われていますが、順を追って作業すると大丈夫です!
この記事では、入力が面倒なコマンドもワンクリックでコピーできるようになっており、順番にペーストしていくだけで作業が進むように工夫しました。
※ここでの記述は2023/07/25時点のものです。『kohya-ss scripts』はアップグレードされコードが変更される可能性があります。
LoRAを導入するための準備と確認
スクリプト(kohya-ss scripts)の確認
『kohya-ss scripts』をPCにインストールします。
インストール方法も何種類かありますが、Aicoは製作者のやり方で説明します。
このスクリプトの詳細は以下のリンク先で確認できます。
https://github.com/kohya-ss/sd-scripts
リンク先の下の方に『日本語版README』があり、そのインストール方法が書かれてます。
ただ、ちょっと専門的でムズイんだよね~。
AIcoが頑張ってわかりやすくまとめてみたから、下の手順でやってみてね。
PCのスペック確認
LoRAを使うためのパソコンのスペックを確認してください。
チェック
- CPU:Intel Core-iシリーズ
- OS:Windows 10以降の64bit版
- 物理メモリ:16Gb
- グラフィックカード:NVIDIA GeForce/10Gb~(推奨12Gb~。8Gbでも作動するらしいですが未確認)
- ハードディスク:不安なく使うには1Tbくらいあったほうがいいです(SSD必須)。
LoRAを導入する3ステップ
LoRAを導入する手順は3ステップです。
詳しいことはそれぞれの項目に書いてありますが、大まかな流れを最初にイメージしておくと作業がスムーズですよ。
手順
- Windowsの実行ポリシーを変更する:Windowsの機能でコマンドを入力するための『powershell』を使う準備
- スクリプトをインストールする場所をつくる:PCの任意の場所にフォルダを作る
- スクリプトをインストール:コマンドをコピペしてインストール
ここからインストール作業手順です。
Windowsの実行ポリシーを変更する
『Win』+『R』キーでコマンド入力画面を開きます。
『powershell』と入力するか、下をコピペしてOKをクリック。
文字をクリックしたらコピーできるよ
これでパワーシェルが開きました。
次に『ctrl』+『shift』+『enter』キーを押して管理者モードに切り替えます。
下のコマンドが表示されればOKです。
管理者モードにならなかったら、画面左下のスタートボタン(Windowsマーク)をクリックし、検索画面に『powershell』と入力して、『管理者として実行する』をクリックします。
管理者モードで、下のコードをコピペします。
これ以降もコードをクリックしたらコピーできるよ
コピペしたら『enter』を押します。
下の画像のように、最初の選択画面では『[N] いいえ』になっているので、『y』と入力し『enter』キーを押してください。
特に画面に大きな変化はなく、PS C:\Windows\system32>と表示されます。
これでローカルでスクリプトが実行できるようになります。
スクリプトをインストールする場所を作る
右クリック→新規作成でフォルダを作成するだけです。
どこでもいいですが、Dドライブ直下がおすすめです。
Automatic1111やLoRAの学習済みモデルのデータが重いので、システムのあるCドライブは避けたほうがベター。
フォルダ名は任意でOKです。作者名+日付『kohyass230101』など。
ただし、空白(スペース)と2バイト文字(日本語や全角など)は不可です。半角英数にしましょう。
これでこのパートは終わりです。
スクリプトをインストール
次は作ったフォルダー内にスクリプトをインストールをします。
作ったフォルダーを開いて、アドレスバーの余白をクリックします。
文字色が反転するので、
下をコピー。
ペーストして『enter』キー。
パワーシェルが起動します。
kohya-ssのサイトのREADMEにあるコマンドを1行づつ入力します。
「げっ!」って思わないでくださいね。順番に下をコピペするだけですよ。
インストールは以下の4つのパートに分かれます。
①製作者のファイルをコピー
まずは下のコードをコピペ+『enter』キー
複製は一瞬で終わるので、一旦パワーシェルを閉じる。
フォルダーに戻ると、『sd-scripts』というフォルダーができています。
その『sd-scripts』フォルダーを開き(中に色々入っていますが無視)、先ほどのようにアドレスバーの空白をクリック。
文字が反転した所へ、再度下をコピペ+『enter』でパワーシェルを開きます。
②Pythonで仮想環境(venv)を複製
①下のコードをコピペ+『enter』
②続けて下のコードをコピペ+『enter』
③必要なファイルをvenvに入れる
チェック
次からダウンロードやインストール作業があるので、時間がかかる場合があります。『pip』の行は特にかかります(1つあたり3~4分くらい)。
(venv) PS D:\kohyass230721\sd-scripts>が表示され、カーソルが点滅するまで待ちましょう。
①下をコピペ+『enter』
②下をコピペ+『enter』
③下をコピペ+『enter』
④下をコピペ+『enter』
⑤下をコピペ+『enter』
⑥下をコピペ+『enter』
④設定
これでコピペ+『enter』は最後です。
これ以降、7つの質問に答えて設定していきます。
その前に注意点
- 「選択肢を選ぶ際には、表示された数字キーを入力します」と説明にはありますが、数字の表記はありません。上から0、1、2の順です。下の『質問の答え方』通りに押すとOKです。
- 矢印キーを使うとエラー(invalid character)が出てやり直しになります。
- もしウィンドウを閉じてしまったり、矢印キーを押しても戻ってやり直せます。
【やり直す方法】
①『sd-scripts』フォルダーを開き、アドレスバーからパワーシェルを開きます。
②下をコピペ+『enter』
③続いて下をコピペ+『enter』で最初の質問からやり直せます。何度でもやり直せますよ。
答えの入力は下の順番に行ってください。
質問の答え方
質問1個目 『enter』キーを押す→This machine
質問2個目 『no』と入力し『enter』→No distributed training
質問3個目 『no』と入力し『enter』→NO
質問4個目 『no』と入力し『enter』→NO
質問5個目 『no』と入力し『enter』→NO
質問6個目 『all』と入力し『enter』→all
質問7個目 『1』と入力し『enter』→fp16
accelerate configuration saved at c:\users\****
(venv)ps d:\kohyass230101\sd-scripts>
と表示されたら成功です。
Users\の後ろには自分のPCのアカウント名、koyass230101の箇所はDドライブに作ったフォルダー名が表示されます。
以下のように、ユーザー名の後ろに表示が出る場合がありますが問題ありません。おそらくアップデートされたのだと思います。
accelerate configuration saved at C:\Users\users/ユーザー名.cache\huggingface\accelerate\default_config.yaml
長い作業、お疲れさまでした!
最後まで読んでくれてありがとね。
使い方については、別の記事で説明していきたいと思います。