Stable Diffusionをローカル環境に構築するのは、とてもハードルが高いと言われてますよね。
でも今回、思い切ってやってみました。
確かにやることは多いですが、手順通りにやれば意外と簡単にできるものなんです。
今回は同じようにハードルが高いと思っている人に向けて、実際に行った作業の流れを順序だてて説明してみました。
少し長いですが、この記事の順に行えばできるようになっています。
基本的なことが分かっている方はコチラから。
その前に、『Stable Diffusion』、『Stable Diffusion WebUI』、『Automatic1111』の意味を説明してもらいましょう。
- Stable DiffusionはCompVisグループ (ミュンヘン大学)が開発したAIだよ。
- Stable Diffusion WebUIは、Stable Diffusionを自分のパソコン内で動かすためのインターフェイス(操作画面)で、プログラミングの知識がなくても動かせるようになってるよ。
- Automatic1111は、Stable Diffusion WebUIの中で一番人気のインターフェイスだよ。Automatic1111は開発者の名前なんだ。
Automatic1111導入までの3STEP(インストールするもの)
インストールするのは次の3つだよ。Automatic1111本体と、それを動かす環境作りが含まれているよ
Python 3.10.6(16bit)をインストール
Pythonはプログラミング言語です。
Stable Diffusionがこの言語でプログラミングされていますので、Pythonの環境がなければStable Diffusionを動かすことはできません。
必ずバージョン3.10.6をインストールして下さい。
Git(ギット)をインストール
プログラムのソースコードなどの変更履歴を記録します。
オープンソースのプログラム変更が競合しないように管理します。
Automatic1111インストール
Stable Diffusion WebUIのプログラムです。これを動かすために上記の2つが必要です。
インストールの前に動作環境(推奨スペック)の確認
推奨スペックは公式発表ではなく、下記データでなければ絶対に作動しないわけではありません。
参考までにお願いします。
チェック
- CPU:Intel Core-iシリーズ
- OS:Windows 10以降の64bit版
- 物理メモリ:16Gb
- グラフィックカード:NVIDIA GeForce/8Gb~(4Gbから作動するらしいですが未確認)
- ハードディスク:1Tb(SSD必須)くらいあったほうが無難です。ちなみに学習済みモデルは1つにつき2~3Gbくらい、XL(高画質モデル)だと6Gbを超えます。
PCのスペックは『Alt』+『Ctrl』+『Del』→タスクマネージャーのパフォーマンスから確認できますよ。
下はAIcoのPCスペックだよ。
- CPU:Intel Core-i5-12400 6Core4.4Ghz
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- 物理メモリ:32Gb デュアルチャンネル
- グラフィックカード:NVIDIA GeForce RTX 3060/12Gb
- ハードディスク:Cドライブ-SSD1Tb・Dドライブ-SSD1Tb
その他、電源は750W・CPUファンは12cmの静音タイプ・CPUグリスはダイヤモンドグリスを使用しています。電源や熱対策も少しだけ気を使ってみたよ。
むちゃくちゃなハイスペックPCとは言えませんが、上記のスペックで、他のアプリ(エクスプローラーやGoogle、Ecelなど)を複数開いた状態でも、Automatic1111はまずまずストレスフリーで動いていますよ。
さて、次からが実際の導入です。
Python 3.10.6(64bit)のインストール手順
ここでは主に2つの工程に分かれます。
①Python 3.10.6(64bit)をインストール
まずは下記URLから、Pythonのホームページにアクセスし、
https://www.python.org/downloads/release/python-3106/
Filesの一覧から『Windows installer(64-bit)』を探してクリックすると、ダウンロードされます。
PCのダウンロードフォルダから『python-3.10.6-amd64』をダブルクリックで起動します。
「Add_Python 3.10 to Path」にチェックを入れ、Install Nowをクリックすると、インストールが開始されます。
インストールが終わったら『クローズ』で閉じる。実際のインストール作業はここまでです。
次はインストールの確認を行います。
②Pythonがインストール(反映)できたか確認
コードをクリックしたらコピーできるよ
次にWindowsボタン+Rキーを押し、『ファイル名を指定して実行』ウインドウを立ち上げます。名前の欄に『cmd』と記入し、OKをクリック。
黒い画面のコマンドプロンプトが立ち上がります。
自分のユーザー名の後に、先ほどコピーしたコード(pythons –version)を張り付けます。
手入力でもかまいませんが、コピペの方が早いです。間違いもありませんし。
下のようにPythonのバージョン名が出てきたら、正常にインストールされています。
python 3.10.6
が、、、Aicoは出ませんでした。理由はわかりません。。。
なので、正常な場合の画面がなくてすみません。代わりに、こんな画面が表示されましたよ・・・
『'pythons' は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません』
この理由はよくわかりません。
パスが通ってないという情報もありました。
インストール最初の画面に『Add Python 3.10 to path』にチェックはつけましたが、認識されていないということでしょうか。
最初からやり直すと正常にインストールされる場合があるそうです。
が、簡単な解決法を見つけたので試してみました。
Pythonランチャーと呼ばれるユーティリティがPythonを起動してくれるそうです。
つまり、Pathが通っていなくても、このランチャーがインストールした場所にあるPythonを起動してくれます。
パスが通ってなかった場合のウラ技
●●●ファイルとして認識されていません。の画面で、ユーザーの後に『py』と入力してenterします。
『py』『Enter』だけでパスが通るので、コマンドプロンプトをいったん閉じてOKです。
確認のため、もう一度WIN+ℝ→『cmd』でコマンドプロンプトを立ち上げます。
今度は下のコードをコピペしてください。
コードをクリックしたらコピーできるよ
『Installed Pythons found by py Launcher for Windows-3.10-64 C:\Users\●●\AppData\Local\Programs\Python\Python310\python.exe *』と出てきたらOKです。
これでPythonが認識されました。
Gitのインストール手順
下のURLをクリックしてGitの公式ページにアクセスします。
https://git-scm.com/download/win
Click here to download、64-bit Git for Windows Setup どちらかをダウンロードします。
『Click here to download』は最新版で、現時点(2023/07/13)では『64-bit Git for Windows Setup』と同じプログラムでした。最新版をダウンロードしましょう。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックで実行します。
『このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?』とウィンドウズからの確認が出ます。『Git for Windows』と表示されていれば、『はい』を押してください。
インストールが開始され、確認画面が続きます。十数回続きます・・・。全て『NEXT』を押し続けてください。
設定項目がでてきますが、チェックなどは変えず、そのまま『NEXT』を押します。
下の画面が出たら、『Install』をクリックします。
インストールが終了すると下の画面が表示されますので、『Finish』ボタンをクリックして閉じてください。
これでGitのインストールは終了です。次はいよいよStable Diffusion WebUIをインストールしていきますよ。
Automatic1111のインストール手順
このパートは主に4つの工程に分かれます。さっそく順番にやっていきましょう。
①Automatic1111のインストール
まずは下のURLからダウンロードのサイトにアクセス。
https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui/releases/tag/v1.0.0-pre
『sd.webui.zip』と書かれたファイルをダウンロードしておきます。
次に、Automatic1111をインストールするフォルダをPCに作成します。右クリック→新規作成→フォルダの順。PCの任意の場所に好きな名前を付けて大丈夫です。
後に導入する学習済みモデルや素材などで容量を圧迫するかもしれないので、システムファイルが入っていないDドライブがおすすめ。AIcoもDドライブにしたよ。
【注意】
- 好きな場所って言ったけど『stable-diffusion』というファイルネームだけはプログラムが使用するのでNGだよ。
- ファイル名の付け方は『sd_230713』など。数字の部分はその日の日付にすると便利かもね?
ここからは、作成したフォルダ内にAutomatic1111をインストールする手順に移ります。
作成したフォルダを開き、アドレスバーに表示されたアドレスの右側の空白部分をクリック。
青地に白文字に反転するので『cmd』と入力し、エンター。
黒い画面のコマンドプロンプトが立ち上がるので、一番最後の『>』の後に下のコマンドをコピペしてください。エンターを押すとAutomatic1111のインストールが開始されます。
コードをクリックしたらコピーできるよ
全ての項目が100%になるとインストール終了。コマンドプロンプトの画面は閉じます。
②xformersをインストール
xformersは簡単に言うと、画像生成処理を効率的に行えるようにするライブラリです。
まずは『Windows』+『R』→「cmd」と入力→OK。
コマンドプロンプト画面の一番最後に下のコマンドをコピペし、エンターキーを押すとインストールが開始されます。
コードをクリックしたらコピーできるよ
文字が流れなくなったらインストール終了。画面を閉じる。
③webui-user.batの編集
webui-user.batの編集はPCの性能に応じた環境にするために行います。
最初に作成したフォルダの中に『stable-dffusion-webui』というフォルダができているので、それを開く。
『webui-user.bat』を右クリック→『その他のオプションを表示』→『編集』を選択。
注意点
- 『webui-user』の名前のファイルは2つあるので注意。バッチファイルの方を編集。
- win10では『その他のオプションを表示』がない場合もあります。その時は直接『編集』を選択。
自動的にメモ帳が開くので、set COMMANDLINE_ARGS=の後に右の備考欄のコマンドの中から自分のPCのスペックに応じたコマンドをコピペしてください。
注意点
スペックについては、明確に発表されていません。下の分類は参考程度にしてください。
以下の基準はNVIDIA GeForceが前提です。他社製の同等モデルに関しては、動作の保証はされていません。
●VRAM12GB以上
●GTX10xxシリーズ
●GTX16xxシリーズ:
●VRAM4GB以下のロースペックGPU:
ウインドウ左上のメニューからファイル→保存を選択。
保存したらメモ帳は閉じてOKです。
④Automatic1111の最終インストール
先ほど編集した『stable-diffusion-webui』の中の『webui-user.bat』を今度はWクリック。
自動でコマンドプロンプトが立ち上がり、最終的なインストールが始まります。
時間はPCのスペックにより異なるみたいで、AIcoのPCでは20分弱かかったよ。
インストールが終わると、自動でAutomatic1111の画面が開きます。
次回以降もパッチファイルをWクリックすると、ブラウザも自動で立ち上がり、Automatic1111の操作画面が表示されます。
あ、2回目からはそれほど時間はかかりませんよ。
『webui-user.bat』ファイルを右クリック→送るでデスクトップにショートカットを作成しておくと便利です。
これでAutomatic1111の導入は完了だよ。お疲れさまでした。操作方法やプロンプトについては別の記事で書くね。
あ、そうそう、
Automatic1111はバッチファイルと連動してるんだ。だから操作中はコマンド画面を閉じないでね。Automatic1111も切れちゃうよ。