Adobe Photoshop2024がリリースされましたね。
これまで何種類かのバージョンを触ってきましたが、「確かにとてもいいアプリであることに間違いはないけど、ここがもう少しこうだったらなぁ・・・」という思いも抱えていました。
結論から言うと、今回のPhotoshop、マジでヤバいです!
同じくAdobe社製のAI、『Firefly』を搭載することで選択や切り抜きの精度が格段に上がっています。
更に生成機能を使って、できることの幅がグンッと広がりました。
そんな中から、今回はAI生成の一部を紹介しますね。
Photoshopで切れてしまった画像の続きを生成
AIで画像を生成していると、頭や足の先が切れてしまったなんてこと多いですよね。
そんな時に使えるのが、クロップ機能です。
え⁉
クロップって画像を切り取る機能じゃなかったっけ?
そうなんです。本来は画像を切り取るツールなんですが、逆に引き延ばした先の空白部分をAIが埋めてくれる機能が備わりました。
成功例
例えば下のような画像ですが、頭とつま先が切れてしまっていますね。
この画像をPhotoshopで開き、クロップを選択。
表示された白い枠をドラッグで任意の範囲に拡大します。そしてダブルクリックすると・・・
頭とつま先がちゃんと生成されました。
しかも背景まで違和感なく表現されていますね。
この機能はかなりの優れモノだと思います。AIで画像を生成すると、頭や足の先が切れてしまうことがよくあります。
同じ画像の生成が難しいAIの現状を考えると、手軽に補正できるのはとてもありがたいですね。
失敗例
次は下の画像です。
こちらは膝から下が切れていますね。
同じやり方で補正すると、下のようになりました。
何だかつま先がおかしいですね。あと床も。
AIの苦手部門が出たようですね。実は画像生成AIは指や足の先を描くのが下手なんです。
これの解決方法は後で説明しますね。
Photoshopでパノラマのような横長の画像を生成
この機能は例えば、よくブログやSNSなどの一番上にある『ヘッダー画像』と呼ばれる横長の画像を作りたい時などに役立ちます。
16:9のアスペクト比(画像の比率)です。
左右均等に引き延ばす
先ほどと同じく、クロップ機能のボタンをクリック。
『Alt』キーを押しながら四角の部分をドラッグして伸ばすと、キャンバスの左右が均一に広がります。
引き延ばす際にピクセル数が表示されるので、調整しやすいですよ。
サイズが決まったら画像をダブルクリック。
下のように、左右に画像が伸びました。
ただ引き延ばしたり、周辺の画像をコピーしたりするのではなく、AIが元の画像に応じて風景を作成してくれるので、自然な形に仕上がります。
左右どちらかを引き延ばす
テーブルを真ん中ではなく、左右のどちらかに配置したい場合は、『Alt』キーを押さずに引き延ばします。
ダブルクリックすると、下のようになりました。
メインになるオブジェクト(今回だとテーブル)の位置を調整したい時はこちらがいいですね。
Photoshopでプロンプトを入力する
ここまではAIの自動修正に依存していましたが、この機能の真骨頂はここからですよ。
まずは先ほどつま先がうまく生成できなかった画像です。
クロップからただ生成するのではなく、下のダイアログにプロンプトを入れて生成してみました。
今回は『黒いブーツを履いている』と入力。
ずいぶん改善されましたね。
これならさほど違和感はないように思います。床は相変わらずですが・・・
ブーツやその他の靴は色や形や大きさ、デザインなどを詳しく指定することで更に制度が上がります。
次はイングリッシュガーデンの画像です。
ただ元画像に応じて引き伸ばしてくれるだけではなく、プロンプトを入力することでお好みのシーンも生成できるんですよ。
今回は『老夫婦が庭で楽しそうに会話をしている』と入力しました。
こんな画像が生成されましたよ。
単純なプロンプトを入力しましたが、細かく具体的に指示することで、より高度な画像が生成されます。
このように、ただ引き延ばして生成するだけでなく、プロンプトによってさまざまなシチュエーションを加えることができます。
生成した画像はレイヤーとして保存されるので、個別に編集したりレイヤーを統合したりして使えます。
当然ですが、Photoshopなので優れた描画機能や色調補正、フィルターなども完備されていますよ。
組み合わせ次第でアイデアは尽きないですね。
終わりに
クロップからの画像生成について説明しましたが、これ以外にもたくさんの機能が追加されています。本当に今回のPhotoshopは『買い』だと思いました。
AIはまだまだ不得意な分野も多いです。指や足先、人の顔などがそうです。それらを人の知恵で補っていると言った状況なんです。
だからこそAIとPhotoshopの融合は素晴らしいと感じました。AIだけで足りない所をPhotoshopの編集機能で補えるからです。
他の機能についてはまた別の記事で紹介しますね。
ちなみに今回の画像の1枚目と2枚目はStable Diffusion、3枚目のイングリッシュガーデンはAdobe Expressで生成しました。
Adobe ExpressにもFireflyが搭載されており、画像生成に加えて、簡単な画像編集、動画編集、文字入れなどができます。
生成画像が完全に著作権フリーなのもFireflyのいい所ですね。
Adobe Expressの登録方法や使い方はコチラ